視覚情報の真の意味や各個人の注目点や嗜好に合致する真に伝えたい情報を提供するための、適応型音情報空間システムを提案する。複数の超音波ビームの交差点に、可聴音が外部にほとんど出ない小さい音空間球を生成する技術、同一視覚情報(地図など)に対して各利用者が期待する深い意味や臨場感を、各人の目的・嗜好・注視行動に合わせて構造化して、聞き易く方角も分り易い音情報として提供する技術、などを目指して、部分試作を行ない、「可聴音の小さい球状音空間での微小音量」での増音効果を確認できた。 また、超音波ビームから生成できる「可聴音ビームの細線化」を数メートルレベルの近距離で達成した。これにより、より幅の狭い音空問の構築を可能にできる。細線化した超音波ビームをディスプレイに反射させて、25インチ程度の中画面の近傍に、小さい可聴空間でのみ聞こえる音空間を複数生成できた。これを用いた、複数画面連携デジタルサイネージも試作して応用の有効性を評価できた。この技術は、「幅の狭い横断歩道の誘導への活用」が期待できる。「ポール型音響信号機」に、パラメトリックスピーカーを導入して遠距離まで音を飛ばさない「放射角度調節方式」を試作・評価した。 意識的/本能的な操作を可能にするための視線操作システムを試作して、容易な音情報提供の基盤システムを試作した。視線による情報の選択と真に獲得したい情報を容易に要求して、分かり易く音・音声により理解できる基盤の部分技術を開発できた。
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