研究課題
実際の3次元空間の中で、音情報を限られた小さい音空間球により提供するために、パラメトリック・スピーカの高機能化を、主につぎの3種類について改良研究開発した。(1)幅の狭い横断歩道など用に、狭ビーム型パラメトリックスピーカ(PS)の音発生部を、製造しやすい円形に近い形で研究開発した。自転車横断レーンが付属する横断歩道7m幅を誘導でき、その外側には音がはみ出さいない幅の狭いPSの基本部分の研究試作を行うことができた。また、平塚盲学校で視覚障碍者と学校関係者に、このPSによる音誘導を実証実験して、校長先生をはじめとする大勢から早期に実際の横断歩道への設置を要望された。(2)博物館、美術館、図書館など展示物の前だけに情報提供でき、横方向への邪魔をほとんどしないPSについては、位相をずらす/逆位相にする方式、さらには、超音波ビームの向きを調整する方式により、小音量の小さい音空間球を試作することができた。しかし、音を大きくする場合に反射音が部分的に出たので、今後欠点を補う改良が必要である。さらに、(3)自宅の高齢者がTVを見る場合や博物館でのビデオ上映など、対象とする人に対して、至近距離では大音量を発生するが、周囲には騒音を拡大しないPSの基本部分の改良研究試作を行った。(1)では実用化を目指した研究開発を、(2)、(3)の研究開発においては、小さい音空間球の生成と反射音を削減するための基本改良技術の研究開発を行った。とくに、(1)については、早期に実際に横断歩道に設置できるように、幾つかの盲学校や関係団体に、ご理解いただくように分かり易い説明を検討して、実際のデモで分かり易く説明している。警察に有効性をご理解いただき、早期に導入していただくべく働き掛けを始めている。
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日本ロービジョン学会誌
巻: 十巻 ページ: 75-80
Knowledge-Based Intelligent Information and Engineering Systems, Springer-Verlag
巻: LNAI 6883 ページ: 1-10
巻: LNAI 6883 ページ: 11-20