研究概要 |
火山地域における巨大地すべり,水蒸気爆発の発生要因・頻度・関連性を明らかにするため,東北日本に分布するいくつかの活火山をフィールドとし,調査を行った.2010年度は,特に鳥海火山,蔵王火山に焦点絞って研究を行った.これらの火山については,水蒸気噴火の頻度と発生要因が明らかになった。水蒸気噴火の頻度はマグマ噴火よりも頻発し,火山活動としては高頻度現象であることが明らかとなった.これは,火山活動の中では低頻度現象である巨大地すべりとは対照的である.水蒸気噴火は火山直下の熱水系に由来することが多く,マグマ上昇が関与する事例とそうではない事例がある.巨大地すべりが引き金となる熱水系の破壊によっても水蒸気噴火が発生する 当該年度およびそれまでの研究成果を総合的に判断すると,上記の結論が多くの火山に対して一般化できる.その結論は,査読付論文として受理されており,地質学雑誌に掲載予定である
|