研究概要 |
当初の計画では,2年度(22年度)は,地震サイクルシミュレーションシステムの構築を継続し,さらに,当初の22年度計画の,実際の活断層に適用したシミュレーションを実施する計画であった。地震サイクルシミュレーションの構築の一環として、(1)すべりの不均質性モデルの改良、(2)応力蓄積過程に関する既存研究調査、(3)地震サイクル計算の論理設計、(4)地震サイクル計算のプログラミングを一部重複しつつ実施した。(1)は初年度から継続している課題であるが、断層面の性質の小スケールの不均質性についての情報が少ない中、自発的破壊伝播の計算に用いる動力学パラメータに小スケールの不均質を適度に与えるのは難しい問題であり、不均質モデルの探索を続けている。k-2すべり分布やk-1応力場分布のモデルやその係数のバリエーションを試した。(2)については、関連する既存研究を収集し、ターゲットとする上町断層系の状況に合わせて、我々の地震サイクル計算の論理設計を行った((3))。ただ、このサイクル計算システム設計は、実際にシミュレーションを行って判明する、計算の各ステップの寄与度によって変更が必要になる可能性があることがわかった。(3)で作成した暫定の計算システム設計に基づいて、地震サイクル計算のプログラミングを開始した((4))。研究協力者の本務先機関における電力使用制限に伴う計算機縮減・集約作業により、プログラミング作業が遅延した。
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