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2010 年度 実績報告書

強震記録に基づく傾斜運動の推定

研究課題

研究課題/領域番号 21510192
研究機関横浜市立大学

研究代表者

木下 繁夫  横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (90360015)

キーワード地震 / 傾斜運動 / 推定・識別問題
研究概要

当該年度では前年度に確立した強震記録から傾斜運動を逆推定する方法を2004年新潟県中越地震、2008年岩手宮城内陸地震、及び、2011年東北地方太平洋沖地震の記録に適用し、真の並進運動を求めた。これにより、地震中に発生する静的変位(コサイスミックな永久変位)や表層地盤の非線形応答に関する考察を進めた。
特に、東北地方太平洋沖地震では震源依存の傾斜運動を定量的に評価し静的変位の発生と太平沿岸域での伝播を考察とした。即ち、強震動の継続中に宮城県沿岸部から静的変位が発生し、関東及び岩手県側に伝播した静的変位はほぼ東へ水平変位するとともに地盤が宮城県域で50から100cm程度沈下したことを強震記録のみから読み取ることを可能とした。これらは、地震後のGPS測量と調和的な結果である。この様な情報を現地での地震観測のみから導けることは、津波警報の質の改善に貢献すると思われる。
局地的な傾斜運動を除去した後の並進運動は、表層地盤の非線形応答に関する考察を広い帯域で行うことを可能とする.岩手・宮城内陸地震における一関西観測点の非対称上下動は4g近い最大加速度を記録している。今回の考察では、バウンシング・ボールと類似の全波整流型の変位運動が発生し、少なくとも2回以上の連続した大きなバウンシングが極めて高い加速度を発生することが判った。これは、観測とシミュレーションの両面から確認出来た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 弱震時における表層地盤のグリーン関数に基づく強震時の非線形応答に関する研究-2008年岩手宮城内陸地震におけるIWTH25観測点の記録-2011

    • 著者名/発表者名
      田中友香里・木下繁夫
    • 雑誌名

      地震

      巻: 63 ページ: 197-206

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A method for estimating the Green's function of a near-surface layer for SH-waves by means of a borehole receiver array2010

    • 著者名/発表者名
      Kinoshita, S.
    • 雑誌名

      Bulletin of the Seismological Society of America

      巻: 100 ページ: 1381-1388

    • 査読あり
  • [学会発表] Non-linear vertical response characteristics of a near-surface layer recorded at the IWTH25 site for the 2008 Iwate-Miyagi inland earthquake2010

    • 著者名/発表者名
      Kinoshita, S.
    • 学会等名
      2010 AGU Fall Meeting
    • 発表場所
      Moscone Convention Center (サンフランシスコ)
    • 年月日
      2010-12-17
  • [備考]

    • URL

      http://kjisin.sci.yokohama-cu.ac.jp/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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