研究概要 |
本年度は,津波複合災害予測モデルの開発整備を行った.得られた成果は以下の通り. 1.解析検証用データ取得のための水理模型実験 漂流物の三次元挙動および津波波力を測定するための水理模型実験を行い,解析検証用データを取得した. 2.三次元漂流物挙動解析モデルの開発・導入 これまでの科研費研究により,漂流物を移動する境界として取り扱う手法を用いて解析する手法を開発していたが,本研究では,より複雑な三次元挙動への拡張した上で,既開発の三次元津波流動解析モデル(米山望・松山昌史・田中寛好:1993年北海道南西沖地震津波における局所遡上の数値解析,土木学会論文集,No. 705/II-59, 139-150, 2002.)に導入して津波複合災害予測モデルの原型を作成した. 3.水質挙動解析モデルの導入 米山らが開発した密度変化を考慮できる三次元解析手法(米山望・井上素行:三次元数値解析による揚水発電所貯水池内水温・濁質挙動の予測手法,土木学会論文集,No. 684/II-56, 127-140, 2001.)を,津波複合災害予測モデルの原型に導入し,塩分や濁質の移流拡散,密度流効果を表現できるようにした.
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