研究課題
本研究の目的は、高波や津波による災害軽減のために、起こりうる被害を効率的に予測し、実用的な避難計画やハザードマップの作成に資することであり、本年度の研究成果は以下の通りである。1.海岸堤防・護岸の高波・高潮または津波による破堤限界の予測:(1)高波・高潮による堤防・護岸の主たる破壊機構は侵食・洗掘に続く堤体内からの吸出しによる。まずは、日本とタイ国で収集した現地データとの比較から、数多くある砂浜安定断面予測式の中で設計に耐える精度を有するものを明らかにした。さらに、既往の洗掘予測数値モデルを改良し、その予測精度を実測データで確認して、堤防・護岸前面の洗掘算定図を更新した。さらに、吸出し実験を大幅に追加実施して、粒径の違いを考慮した吸出し量算定式を開発した。これらの一部は昨年11月に土木学会論文集で公開し、残りは今年6月にISOPE国際会議で発表予定であり、土木学会論文集で7月以降に公開予定でもある。(2)津波に対しては、戻り流れによる洗掘量算定式の改良を進めると共に、東北地方太平洋沖地震津波によって各所で発生していた浸入波による堤防陸側の洗掘量を予測できるように発展させた。これらの一部を昨年10月に土木学会論文集で公開した。さらに、広域洗掘の数値予測モデルと共に、昨年11月に地震工学研究発表会で発表し、今年6月に土木学会論文集で公開する。2.陸側建物等の津波による破壊限界の予測:RC建物、木造建物、および、ブロック壁の基本部材の破壊限界寸法を求められる算定図の改良結果を昨年10月に土木学会論文集で公開した。さらに、本算定図の評価精度が良好なことを、東北地方太平洋沖地震津波に対して実施した被害調査データを用いて確認した。この成果は土木工学論文集に投稿中である。
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