研究概要 |
屈折率、および曲げ応力に対するFBG (Fiber Bragg Grating、反射中心波長1550nm)の反射スペクトルを測定した。 屈折率に対しては、微細加工したグレーティング領域および非グレーティング領域、平坦に切断したファイバ先端部、を液体屈折率のセンサ部として設定し、周囲の屈折率に対する反射中心波長とそれ以外の波長での反射光量の差(反射光スペクトルの高さに相当)を測定した。グレーティング部では反射光量の差と共に反射中心波長も変化すること、また、先端部では、浸漬する液体の屈折率の増加(1.34~1.46)に伴い、反射光量の差はほぼ直線的に12dB程度増加することがわかった。反射光量は0.05dB程度の精度で測定できるので、この範囲では45x10^<-4>程度の精度で屈折率を認識できるといえる。 一方、曲げ応力に対しては、非対称断面形状をもつFBGに与える曲げ方向および大きさを変化させ、反射中心波長の変化を測定すると共に、断面形状から求めたシミュレーション結果と比較、検討を行った。RIE( Reactive Ion Etching)によりグレーティング領域(10.0mm)を含む90mmの断面を非対称に加工し、この部分に曲げを与えた。加工面の方向、その反対方向に一様の曲率で曲げを与えた場合、±7.9m^<-1>の変化に対し、反射中心波長は0.44nm程度、ほぼ直線的に変化した。ここで、曲率の符号は曲げ方向を表し、正は引っ張り応力、負は圧縮応力がコアに印加されている。反射中心波長は0,01nmの精度で測定できるので、加工面を基準とした二方向に関しては0.36m^<-1>程度の精度で曲げを検出できるといえる。また、これらの結果は断面形状から求めた反射中心波長の計算値ともほぼ一致した。
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