今年度の目標 「光反応性trifluoromethylphenyldiazirine含有ビオチン導入化合物と単量体アビジン担体を利用した固層上での光アフィニティーラベルによる生体高分子-生理活性物質機能解析法の確立」の達成度合いについて 光反応性trifluoromethylphenyldiazirine含有ビオチン化化合物の合成について、ビオチンの溶解性を上げる溶媒DMF、TfOHを用いることで効率的な合成可能であることを明らかとした。また通常の有機化合物では溶解性の高いアセトニトリルがビオチンに対して結晶化にする性質を持つことから、生成物の単離精製に有用であることも明らかとした。合成した光反応性ビオチン誘導体を固定化単量体アビジンと結合させたところ、効率的にビオチン誘導体を吸着し、通常の緩衝液などの処理では解離せず、ビオチン誘導体を流すことにより解離することを確認した。光反応性ビオチン誘導体が吸着した状態で固層ごと光照射し、ビオチン誘導体で解離させることで固層上でのジアジリン基の光分解効率をUVならびにNMRを用いて検討した。その結果通常の液層状態での光照射と大きく変わることのない効率(分解時間等)で光分解されることを明らかとし、申請時に期待した効率的光アフィニティーラベルの化合物レベルにおける基礎的データを収集することができた。来年度以降実際の生体高分子(蛋白質など)を利用した光アフィニティーラベルの検討を行っていく。
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