研究概要 |
1.β-Pixの大腸菌による発現と精製 新規活性化因子と目されるβ-Pixの大量発現系を構築した。ヒトβ-Pixの遺伝子を大腸菌で発現させ、アフィニティークロマトとイオン交換カラムにより精製した。比較的よい収率で純粋なタンパク質を得た。 2.その他の活性化因子の発現と調製 前年度に確立した方法をさらに改良し、Noxの活性化因子NoxA1 (p51^<nox>)とNoxO1(p41^<nox>)遺伝子を大腸菌で発現させ、カラムクロマトなどで精製した、それぞれよい収率で純粋なタンパク質を得ることに成功した。 3.Nox2の無細胞再構成と活性化 Nox2を用いて無細胞系で再構成し、活性を測定した。ブタ好中球から精製したシトクロムb_<558>に、上述のNoxA1, NoxO1それにRacを加えNox活性化を行った。これにβ-Pixを加え、活性に対する影響を見た。β-Pixは含有リン脂質によってNox活性を正負いずれにも制御した。これはNoxの活性がβ-Pixを介しリン脂質により制御されていることを示唆した。 4.Superoxide dismutase (SOD)とRacのタンパク間相互作用 SODのNox活性への影響を調べるために、SODとRacとの相互作用を検討した。Blot-binding assayで検討した結果、SODとRacのタンパク間相互作用が検出された。RacはGTP型/GDP型に拘らずSODに結合した。 5.大腸癌細胞のNox1の無細胞活性化 ヒト大腸癌細胞Caco-2のO_2^-生成酵素Nox1を上記の活性化因子により無細胞系で活性化することに成功した。すなわち培養したCaco-2から形質膜を分画し、NoxA1とNox01をracと共に加え、NADPHを添加するとO_2^-が発生した。
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