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2011 年度 実績報告書

血管内皮増殖因子受容体に対する低分子量基底膜蛋白質AZ-1の阻害機構

研究課題

研究課題/領域番号 21510229
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

向井 邦晃  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80229913)

キーワード細胞・組織 / シグナル伝達 / 生体分子 / 生理活性 / 蛋白質
研究概要

リガンド・細胞表面受容体複合体モデルにおけるAZ-1の相互作用様式の検証を目的として、AZ-1蛋白質変異体の調製を行った。全長の組換えAZ-1(466アミノ酸残基)については、効率良く発現・精製することが可能であった。しかし、3ドメインの内1つまたは2つ欠いた変異体については、フィプロネクチンN端70k等との融合蛋白質の作製を含めて種々の工夫を試みたが十分量発現させることが困難であった。そのため、複合体との相互作用に関与するAZ-1の機能ドメインの特定に至らなかった。
しかし、AZ-1の低分子量基底膜蛋白質としての新しい機能を示す結果がマウス胚を用いた実験から得られた。着床直前胚において、免疫組織化学法によりAZ-1は栄養外胚葉の胞胚腔側内側に検出された。着床後には、AZ-1はライヘルト膜の重要な成分であるラミニンと局在が同一であること、さらに免疫沈降実験により、AZ-1とラミニンは相互作用していることが判明した。この結果から、AZ-1はライヘルト膜の新規な構成分子であることが判明した。一方、子宮側におけるAZ-1の局在を解析した結果、子宮内膜上皮細胞および血管内皮細胞の基底膜に局在することが判明した。特に、胚周囲の子宮側においてはインテグリン群と共局在しており、免疫沈降実験により、AZ-1とインテグリン群との相互作用が判明した。
これらの結果、AZ-1は哺乳動物の初期発生においても、胚側においては少なくとも構造的細胞外マトリックス蛋白質(ラミニンなど)と相互作用していること、一方子宮側においては少なくとも細胞表面受容体(インテグリン群)と相互作用していることを示す。従ってAZ-1は多価結合性因子として細胞機能の調節に関与することが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Transcriptome analysis reveals differentially expressed transcripts in rat adrenal zona glomerulosa and zona fasciculata2012

    • 著者名/発表者名
      Nishimoto, K., Rigsby, C. S., Wang, T., Mukai, K., Gomez-Sanchez, C. E., Rainey, W. E., Seki, T
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 153 ページ: 1755-1763

    • 査読あり
  • [学会発表] CYP11B2 immunohistochemistry2011

    • 著者名/発表者名
      Kuniaki Mukai
    • 学会等名
      Symposium 2011 Primary Aldosteronism(厚労省「副腎ホルモン産生異常に関する調査研究」等による開催)
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都)(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-10
  • [学会発表] 原発性アルドステロン症(PA)におけるCYP11B2の組織局在とその意義2011

    • 著者名/発表者名
      向井邦晃
    • 学会等名
      第19回日本ステロイドホルモン学会学術集会
    • 発表場所
      福岡大学病院(福岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-26
  • [学会発表] ヒト副腎皮質における自律的アルドステロン産生細胞クラスター2011

    • 著者名/発表者名
      向井邦晃
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] β-細胞が作る膵臓局所ステロイド2011

    • 著者名/発表者名
      荻島正, 他
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] Glycolysis in human colon cancer cells was further up-regulated in G1 phase2011

    • 著者名/発表者名
      Yan Bao, et al
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] CYP11B2免疫染色の診断的意義と課題2011

    • 著者名/発表者名
      向井邦晃
    • 学会等名
      難治性副腎疾患シンポジウム(厚労省「副腎ホルモン産生異常に関する調査研究」等による開催)
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都)(招待講演)
    • 年月日
      2011-07-02
  • [学会発表] 非腫瘍性原発性アルドステロン症に対する新たな病理学的確定診断法2011

    • 著者名/発表者名
      西本紘嗣郎
    • 学会等名
      第99回日本泌尿器学会総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2011-04-22

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公開日: 2013-06-26  

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