研究概要 |
当所では種子を保有していない植物をホームページに載せ、協力者をつのった。本年度中に収集・保存した種子で登録できたものは391点であった。年度末近くに日本農村文化協会の廣田伸七氏より約900点の雑草と帰化植物などの種子の寄贈を受け、現在登録作業中である。このことにより、日本の雑草の種子はほぼ全種に近いコレクションとなった。過去のものをあわせると228科5,504種、32,519点の野生植物種子を保有し、うち、冷凍保存している種子は211科3,847種、17,063点となった。このコレクションは多くの種類の絶滅危惧植物の種子も保存しており、新宿御苑などに協力して「希少野生動植物の生息域外保全」にもつながっている。 撮影できた種子および果実の画像は8,688枚となった。554種の外来植物の種子画像と植物体画像をホームページに掲載し、画像による検索が行えるようにした。雑草種子の画像と植物体の画像1,035種をホームページに公開した。 ホームページの帰化植物一覧表を更新し、111科1,640種(雑種、変種、品種を含む)の帰化植物の和名、別名、学名、科名を掲載した。当所に種子を保有していない日本の雑草の一覧表もホームページに掲載し協力を求めたが、現在は30種足らずと残りわずかになっている。 イネ科植物に重点をおいて、果実の画像の撮影、発芽テストを行なった。発芽テストで出来た苗はは栽培し、本年度DNA分析を行なった。イネ科植物の研究は鳥取大学との共同研究に発展している。 カヤツリグサ科植物にも重点を置いて収集し、標本、種子の収集に加えて、カヤツリグサ属の植物について、葉緑体DNAによる系統分類学的研究も行った。
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