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2010 年度 実績報告書

アメリカ合衆国の歴史系博物館における奴隷制の記憶の構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21510252
研究機関東北大学

研究代表者

落合 明子  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (30264831)

キーワードアメリカ合衆国 / 歴史系博物館 / 奴隷制 / 記憶の構築 / アメリカ黒人
研究概要

本研究の目的は、アメリカ合衆国の歴史系博物館において、奴隷制の展示・教育プログラムの開発、運営方法などを巡って展開される攻防や、その攻防から奴隷制の記憶が構築される過程に注目し、記憶構築における政治性や記憶の複雑な諸相を明らかにすることである。その際に、博物館の発展を歴史的な文脈で捉えると共に、奴隷制の学術的な研究が展示・教育プログラムなどに及ぼしている影響や、多文化主義と歴史系博物館の関係も検討する。具体的な研究課題は、1)黒人が主導して20世紀後半に建てられた博物館(黒人歴史博物館)、2)伝統的に白人が運営してきた博物館、3)国家の立場を代弁する博物館(国立博物館)の中から代表的な博物館をそれぞれ抽出し、博物館の設立過程、奴隷制の展示・教育プログラムの開発の経緯や具体的な内容、運営方法など、様々なレベルで展開される政治的な攻防を公的記憶が構築される過程と捉え、その複雑な様相を明らかにすることである。
22年度は本研究の2年目にあたり、研究課題に関連した基本文献及び昨年度収集した資料の精読を進め、その成果の一部として、国立黒人歴史文化博物館の設立法案の成立過程を考察した論文の出版に至った。9月にはスミソニアン博物館、ハーパーズ・フェリー国立公園、コロニアル・ウィリアムズバーグ野外博物館において視察調査と資料収集を行った。設立の背景や展示の意図などについて、それぞれの関係者へのインタビューをすることもできた。ハーパーズ・フェリー国立公園は当初の計画には入っていなかったが、国立公園における奴隷制の展示や表象の研究に重要であると判断し、研究対象に加えた。国立議会図書館、国立公文書館、ミシガン大学でも博物館研究全般に関する資料の収集を行った。年度の後半は、収集した資料の精読と分析を行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] ジョン・ブラウンとヘイワード・シェパード-記憶の継承/排除/隠蔽/忘却をめぐって-2010

    • 著者名/発表者名
      落合明子
    • 学会等名
      南部史研究会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2010-06-27
  • [図書] アメリカ史のフロンティアII現代アメリカの政治文化と世界-20世紀から現代まで-2010

    • 著者名/発表者名
      肥後本芳夫
    • 総ページ数
      210-234
    • 出版者
      昭和堂

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公開日: 2012-07-19  

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