研究課題
基盤研究(C)
インドネシアの中国系住民(華人)の政治思想における特徴的言説-遠い父祖の地・中国でなく、「ここが自分の生まれ育った地だ」との生活実感に基づきインドネシアこそを母国と考えることから、「生育地ナショナリズム」と命名し得る思想群-の系譜に着目し、その生成・発展の過程や、他の諸思想との葛藤の構図、それらの政治・社会的背景と変遷の過程を歴史資料の分析と現地調査を通じて明らかにした。具体的には(1)この思想の先駆と考えられる1930年代のインドネシア華人党(PTI)について、(2) 1960年華人の間で起きた「同化論争」の内実について、(3)華人同化主義を国策化したスハルト体制の下での華人社会の実態について、(4)スハルト体制が崩壊した1998年以降再活性化した、華人をめぐる新たな議論について、(5)インドネシア独立後に国外へ移住、中国・香港・オランダなどで生活している華人たちの帰属意識について、それぞれ多くの新たな知見を得、複数の論考に纏めた。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件) 備考 (1件)
「華人性」の民族誌,東南アジア研究
巻: 第49巻1号 ページ: 154-157
国際文化学研究
巻: 第37号 ページ: 54-75
巻: 第34号 ページ: 1-22
季刊民族学
巻: 第133号 ページ: 52-54
華人と国家-インドネシアの「チナ問題」,華僑華人研究
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巻: 第33号 ページ: 87-109
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