仏領から英領モーリシャスへの転換がモーリシャスを独立国家へと導いた。しかも無血独立だった。しかしこの独立の影にモーリシャス包括領土から切り離されインド洋イギリス領とされ、アメリカ軍基地として貸し出された島とその周辺諸島全てから強制移住させられた住民がいることをもっと知らなければならない。Diego Garcia島を含むチャゴス諸島全体を悲劇的な運命に導いたのは米本土からは遠いがあらゆる地域の中心、なによりもアラブ諸国を望む絶好の地理的条件と自然の環礁が保護する港で、艦船も原子力潜水艦も停泊可能という基地として最大限に利用できる条件といえる。1991年湾岸戦争時、2001年の同時多発テロの後、アフガンへの攻撃もこの島からだった。インド洋上の唯一のアメリカ軍基地の役割は大きい。イギリス政府は自然環境保護というもっともらしい条件で島民を寄せ付けない策略をめぐらせている。 かつての「帝国」がその国力でチャゴス難民帰島の戦いを阻止しようとしている。そこで、日本の研究者として米軍基地をキーワードに沖縄との共同作業が何か出来るのではと考えた。すでにDialogue under Occupationという国際会議体がチャゴス難民リーダーを沖縄に招きシンポジウムを行なっていたが、継続的に対話を行うと共に有識者による意見交換を持つ機会を作る計画である。
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