研究課題/領域番号 |
21510289
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
遠藤 恵子 城西国際大学, ジェンダー・女性学研究所, 助教 (40327250)
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キーワード | 内務省 / 衛生局 / 社会局 / 女性政策 / 歴史社会学 |
研究概要 |
平成23年度においては、次のとおり研究を遂行した。第1。内務省衛生局所管の女性政策の歴史を明らかにするため、とくに、1915(大正4)年に制定された「看護婦規則」、1941(昭和16)年に制定された「保健婦規則」、この2つの制定過程に関する先行研究等の文献閲覧・収集・整理を行った。これらの規則は、業務内容、資格取得の方法、試験内容、資格取得者の登録や停止、罰則などを定めている。「看護婦規則」の制定経緯は、明治期以降、各地での看護婦の活動、国に先行した各府県での規則制定の動き、第一次世界大戦を契機とした内務省令制定と整理される。また、「保健婦規則」の制定経緯は、大正期における都市での巡回看護事業の展開、その社会事業的系譜と公衆衛生的系譜、他方、昭和期以降の農村での事業展開、厚生省創設や保健所法制定を経ての戦時下での規則制定と整理される。なお、保健婦は、その業務として「疾病予防の指導」についで「母乳又は乳幼児の保健衛生指導」が定められており、母子衛生の担い手としても期待されていた。今後は、2つの女性医療専門職の制定過程における女性像の構図とその変遷などを検討する。第2。内務省社会局所管の女性政策の歴史を明らかにするため、戦前の女性工場監督官にかんする資料およびイギリス女性工場監督官の歴史研究文献等の閲覧・収集を行った。また、大正期から昭和期にかけて東京・大阪・神戸など都市の市役所社会局等が手がけた職業婦人調査、女性への職業紹介案内などの資料閲覧を多数行い、今後の資料収集・整理方法を検討した。第3。内務省警保局所管の女性政策の歴史を明らかにするため、従軍慰安婦関係資料・研究文献などの閲覧・収集を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
内務省地方局、社会局、衛生局、警保局、土木局の行政の主な歴史、各局における女性政策の主要トピックスの詳細な歴史の理解、資料検討を徐々に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
内務省地方局、社会局、衛生局、警保局、土木局の行政の主な歴史をふまえ、各局における女性政策の主要トピックス2,3に焦点を当て、それらの歴史整理を中心に研究を進めることとする。
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