インドの分権化先進州ケーララにおける女性枠とジェンダー予算策に注目し、地域ガヴァナンスに参加した女性の活動実態の把握と、それがおよぼすジェンダー関係変化の理論的解明を試みた。成果として、女性議員の公務遂行能力の拡大を通して、公的領域における開発の再検討や私的領域の問題が顕在化され、「公共圏」「親密圏」の再編がアジェンダ化される可能性が示された。またジェンダー予算事業や国家貧困削減事業を通じて可能となった女性のネットワーキングから、政治的経済的エージェンシーが生成されつつあることが明らかとなった。
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