• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

自然再生への「市民参加」における風土性の倫理的価値構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520006
研究機関東京工業大学

研究代表者

桑子 敏雄  東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (30134422)

キーワード倫理的価値構造 / 風土 / 市民参加 / 自然再生 / 社会基盤整備 / 理由の来歴 / 風土的市民性 / 環境的自律性
研究概要

平成21年度には、(1)「風土的市民性」研究のための資料、(2)関係する自然再生・社会基盤事業についての情報を収集するとともに、(3)具体的なフィールドに出向いて、多様な関係者と意見交換を行った。
その成果として、沖縄県国頭村における亜熱帯林の保全・再生にかかわる森林管理事業および地域活性化事業に当事者として参画することが可能になった(国頭村森林ゾーニング検討委員会委員および国頭村魅力ある空間づくりアドバイザー)。この活動を通して、亜熱帯地域という固有の風土での市民参加のあり方を実地に観察し、また市民参加のあり方について指導しつつ、その課題を明らかにし、解決の方向を探求することが可能になった。また、国頭村やんばるの森と地域の森林政策等についての文献資料も蓄積しつつある。
また、関連の研究を行っている研究者との連携により、市民参加と合意形成プロセスを理解し、また理論化するための概念として「理由の来歴」(意見の理由の形成過程を示す履歴)、「環境的自律性」(複雑性を特徴とする環境の相貌とつねに対峙しつつ、そこに含まれる課題の本質を、他者との談義と協働を通して捉え、解決策を熟慮検討し、解決の活動を通して自己を高めていくこと、またその能力)および「局所的風土性」の概念の示唆を得て、これらの概念の関係を明らかにすることで、本研究の課題に答えるための道筋を見いだすことができた。
海外の研究者との交流、とくに、パリ・ラビレット建築学校、ヤン・ヌソム准教授との意見交換において「持続的風景」の概念の重要性について認識し、また、中国・大連大学人文学部歴史研究院魯霞准教授・同土木技術研究センター王桂萱教授との意見交換会により、本研究の目指す方向が東アジア地域で今後重要な課題になるということについて確認をすることができた。魯准教授、王教授は、今後、連携研究者として、継続的に意見交換する体制が整った。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 環境問題における意思決定と合意形成2010

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄
    • 雑誌名

      「エコ・フィロソフィ」研究 4号別冊

      ページ: 47-56

  • [雑誌論文] 医療倫理に関する研究行為の倫理性について-合意形成の観点から-2009

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄
    • 雑誌名

      生命倫理 19[1]

      ページ: 21-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] コミュニケーションにおける合意形成と感性2009

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄
    • 雑誌名

      電子情報通信学会誌 92[11]

      ページ: 967-969

  • [雑誌論文] 社会資本整備におけるアカウンタビリティの向上2009

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄
    • 雑誌名

      日刊建設産業新聞 20091217

      ページ: 8-9

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄, ほか(共著)
    • 雑誌名

      科学技術コミュニケーション入門(培風館)

      ページ: 38-53

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄, ほか(共著)
    • 雑誌名

      環境倫理学(東京大学出版会)

      ページ: 255-268

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄, ほか(共著)
    • 雑誌名

      岩波講座・哲学08 生命/環境の哲学(岩波書店)

      ページ: 171-195

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄, ほか(共著)
    • 雑誌名

      都市社会計画の思想と展開(東信堂)

      ページ: 86-89

  • [学会発表] 地域空間資源が生み出す地域活性活動についての感性哲学的考察-トキ野生復帰事業における辺地での多元的交流・連携拠点モデル創出の試み2009

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄、吉武久美子、豊田光世、高田知紀
    • 学会等名
      第11回日本感性工学会大会
    • 発表場所
      芝浦工業大学豊洲キャンパス
    • 年月日
      2009-09-09
  • [学会発表] トキの野生復帰に向けた天王川自然再生事業における合意形成プロセスの構築2009

    • 著者名/発表者名
      高田知紀・豊田光世・桑子敏雄
    • 学会等名
      土木学会全国大会
    • 発表場所
      福岡大学七隈キャンパス
    • 年月日
      2009-09-03
  • [図書] 空間の履歴2009

    • 著者名/発表者名
      桑子敏雄
    • 総ページ数
      175
    • 出版者
      東信堂

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi