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2010 年度 実績報告書

道元の思想構造の総合的研究―比較思想的観点から

研究課題

研究課題/領域番号 21520007
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

頼住 光子  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (90212315)

キーワード道元 / 親鸞 / 日本仏教
研究概要

本年度は、まず、道元の思想構造を親鸞との比較において検討した。両者の思想の比較に関する研究はそれなりの研究の蓄積があるが、多くは、道元は自力門、親鸞は他力門という表面的な二分法を受け容れた上で立論しており、その比較の思想的意義に深くふれた研究はほとんどない。しかし、私見によれば両者は、アジアにおける大乗仏教思想の展開の中で、共通した問題意識に基づいてその思想を展開している。研究成果の一部を盛り込んだ論文「「親鸞の「他力」思想-「自己」と「他力」の反転をめぐって」において明らかにしたように、他力と自力とは、単に対立する二項というわけではなくて、「空」を基軸として「反転」的関係として密接に関わっているのである。このような「反転」構造は、道元においても見られるものであり、このことは、両者が、大乗仏教の根本教説である「空-縁起」を体得し、それに立脚して自らの思想を展開していたことを物語っているのである。
さらに、本年度の研究の主軸となったのは、日本の大乗仏教とは何であったのかという問いを踏まえた上で道元の思想を解明することである。この研究成果の一端は、『日本の仏教思想-原文で読む仏教入門』に盛り込んだ。その中で、「空が空ずる」という限りない「はたらき」(具体性を超えた抽象的真理)の具体的現れ(=方便)として、個的存在を捉えるという共通構造について、日本の仏教思想家の諸文献の解読を通じて明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 親鸞の「他力」思想-「自己」と「他力」の反転をめぐって2010

    • 著者名/発表者名
      頼住光子
    • 雑誌名

      「おのずから」と「みずから」のあわい 公共する世界を日本思想にさぐる(竹内整一他編)(東京大学出版会)

      ページ: 227-255

  • [雑誌論文] 近代日本における宗教と教育-公教育における宗教教育の歴史2010

    • 著者名/発表者名
      頼住光子
    • 雑誌名

      宗教を考える教育-なぜ宗教教育が必要か-(宗教教育研究会編)(教文館)

      ページ: 11-36

  • [学会発表] Tradition of Japanese Zen Meditation2010

    • 著者名/発表者名
      Mitsuko YORIZUMI
    • 学会等名
      6th Bi-Annual International Conference on Buddhist Meditation : Texts, Tradition and Practice
    • 発表場所
      K.J.Somaiya Centre for Buddhist Studies, Mumbai, India
    • 年月日
      2010-09-04
  • [図書] 日本の仏教思想-原文で読む仏教入門2010

    • 著者名/発表者名
      頼住光子
    • 総ページ数
      1-217
    • 出版者
      北樹出版

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公開日: 2012-07-19  

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