• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

北方宗教哲学の共生原理と「神」概念-北方少数先住民族とキリスト教-

研究課題

研究課題/領域番号 21520030
研究機関東洋大学

研究代表者

中里 巧  東洋大学, 文学部, 教授 (40277348)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワードキリスト教 / 北欧 / 北方 / 悪 / アイヌ / 血の復讐 / 正教 / 愛
研究概要

H21~H23年度にわたる研究成果をふまえて、①疑念として残された悪の克服について研究遂行した。②また、北方少数先住民族の宗教習俗や世界観を個別にその特質についてまとめて、近代化の過程で以下に悪の概念が変容したか、要点を明確化した。①悪の克服についてその要点を云えば、どの民族においても程度の多少はあれ、血の復讐観が見られ、スカンディナヴィア地域や東欧地域における血の復讐観を最も程度の強い無限連鎖として続く復讐観として定義するならば、アイヌ・オホーツク文化・エスキモー・サーミ・シベリア少数民族などは、無限連鎖とはならず、自然観による調停が見られる。②について云えば、近代化過程で世界観が変容したことはどの民族について例外がなく、そのメルクマールは生活であって、近代化以前の生活が持続していないかぎり、たとえ、宗教習俗の存続が見られるにしても、世界観は変容している。その理由は、少数民族の特徴であるシャーマニズムやアニミズムの宗教性が、世界観シンボリズムであるわけであるが、こうした宗教性は、自然に大きく依存する日常生活が変容してしまえば、大きな変容を受けるか消滅してしまうからである。ただし、こうした宗教性が変容もしくは消滅することによって、それまでは血の復讐観とのバランスが巧妙にとれて、外面的にも内面的にも平和が保たれていたにもかかわらず、近代化によってそれまでの宗教性が変容もしくは消滅したために、逆に、血の復讐観が先鋭化され、悪の解決が困難になるということが多々起こることになった事例が少なくない。③キリスト教との関連で云えば、我々自身のキリスト教観がローマンカトリックよりであるということ自体に、注意する必要がある。むしろ、キリスト教最初期のギリシア教父の世界観や倫理観にまで遡及すると、汎神論的世界観やシャーマニズム・アニミズムを包括する宗教性が散見できる。正教は大きな鍵である。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 北欧北方精神史におけるヨーロッパ人と北方少数民族の接触2013

    • 著者名/発表者名
      中里巧
    • 雑誌名

      白山哲学

      巻: 47 ページ: 69-90

  • [雑誌論文] 血の復讐の解決を求めて―エンデ・キルケゴール・バイキング・アイヌのばあい―2013

    • 著者名/発表者名
      中里巧
    • 雑誌名

      東洋学研究

      巻: 50 ページ: 73-89

  • [雑誌論文] 呪詛と自己犠牲―キェルケゴール思想における祈りの本質―2013

    • 著者名/発表者名
      中里巧
    • 雑誌名

      新キェルケゴール研究

      巻: 11 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 情念をめぐって-キルケゴール実存思想と岡潔の情緒論-2013

    • 著者名/発表者名
      中里巧
    • 雑誌名

      比較思想研究

      巻: 39 ページ: 30-40

    • 査読あり
  • [学会発表] キルケゴール思想の源流と今日のキルケゴール解釈2012

    • 著者名/発表者名
      中里巧
    • 学会等名
      北欧文化協会
    • 発表場所
      京橋プラザ区民館
    • 年月日
      20121207-20121207
    • 招待講演
  • [学会発表] 呪詛と自己犠牲-キェルケゴール思想における祈りの本質-2012

    • 著者名/発表者名
      中里巧
    • 学会等名
      日本宗教学会
    • 発表場所
      皇學館大学
    • 年月日
      20120908-20120908
  • [学会発表] キェルケゴール思想における祈り2012

    • 著者名/発表者名
      中里巧
    • 学会等名
      キェルケゴール協会
    • 発表場所
      東洋大学
    • 年月日
      20120701-20120701
  • [学会発表] 情念をめぐって-キルケゴール実存思想と岡潔の情緒論-2012

    • 著者名/発表者名
      中里巧
    • 学会等名
      比較思想学会
    • 発表場所
      大正大学
    • 年月日
      20120428-20120428

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi