本研究は、多様で異質な文化・価値観・世界観を人類が、互いに尊重し合い平和に共存していくうえで、最大の障壁である宗教間の理解の齟齬を無くして、真に互いの存在を認め合って相互に発展していくうえで中核となる思想的原理を究明するのが目的であった。本研究の成果は、従来、北方少数民族のアニミズムやシャーマニズムと高度に発展したキリスト教との間には、思想的に越えがたい齟齬が存在してきたが、こうした齟齬が、多重多層世界の想定をとおして、解決可能であり、血の復讐の克服・有機的自然観の受容・慈愛の成長をとおして現実可能であることを、明らかにしたことである。
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