病の二つの概念、すなわち、日常語としての病いと医療対象としての疾病が交錯する場面に着目しながら、そこで生ずる問題について、理論的・倫理的に研究した。その際には、その観点から、病に言及する主要な哲学・倫理学の文献を再検討して幾つかの論文を発表した。また、病をめぐる制度、とくに介護保険制度成立の過程で問題化された高齢者の病や、精神衛生・精神保健の法制度の下での精神や心の病を事例として、社会科学の研究も参照しながら幾つかの論文を発表した。そして、以上の研究成果を、複数の単行本として社会に向けて発表した。
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