報告者は『春秋正義』全60巻の訳注を企図し、その第一歩としてすでに巻1~4を発表し、次いで一昨年度末に、卷5~7を発表したのであるが、本研究はその第三歩以降として位置づけられるものである。すなわち本研究は主として以下の4点から成る。 (1)『春秋正義』全60巻の校勘記完全版を作成すること、 (2)『春秋正義』巻8・9・10の校定本を作成すること、 (3)『春秋正義』巻8・9・10の訳注を作成すること、 (4)『五経正義』をめぐる諸問題を考察すること、 上記は3年間を通じ並行して実行するが、強いて年度別の計画を立てると以下の通り。 平成21年度(1) (2)巻8 (3)巻8 (4) 平成22年度(1) (2)巻9 (3)巻9 (4) 平成23年度(1) (2)巻10 (3)巻10 (4) そして本年度は予定通り、 (1)(2)『春秋正義』巻9の校定本を作成した。(3)『春秋正義』巻9の訳注を作成した。 (4)次頁11「研究発表」の項目の通り、3件の論文・翻訳を発表した。 「五經正義讀解通論(六)」では五經正義の「複語」「常訓」の問題を論じた。 「五經正義讀解通論(七)」では五經正義の「語辭」「語助」の問題を論じた。 「周易正義訓讀-乾卦-」は周易正義の翻訳としては、本邦初訳である。
|