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2011 年度 実績報告書

『大戴礼記』に残存する『孔子三朝記』についての基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520048
研究機関鹿児島大学

研究代表者

末永 高康  鹿児島大学, 教育学部, 教授 (30305106)

キーワード先秦思想史 / 儒家思想 / 大戴礼記 / 孔子三朝記
研究概要

『孔子三朝記』に対する昨年度の分析が、他文献との重複や、各篇簡における表現の重複の分析といった、文献の形式面に重点を置いた分析であったのに対し、本年度では、対話の構成や思想内容に踏み込んだ形での分析を行った。
対話の構成からは、現存の『孔子三朝記』が二重の意味での寄せ集め的性格を持つこと、すなわち、原資料となるものを寄せ集めて文章が構成されているという意味でのそれと、原本が一度大きな攪乱を受けて、それが再び寄せ集められて現在の形になっているという意味での寄せ集め的性格を持つことを明らかにした。特に、前者については、千乗篇においで「四佐」、すなわち「司徒」「司馬」「司寇」「司空」について語る部分の原資料の形を推定し、また、後者においては、従来指摘されなかった部分での錯簡の存在を明らかにした。
思想内容においては、まず、天地人の三才を並列する部分に有韻の表現が集中することを示して、これが黄老文献に基づくものであろうことを指摘するとともに、黄老思想からの影響は、天地の恒常に人も従うべきであるとする部分に限られることを明らかにした。さらに、堯舜の時代を含む古史への関心、唐虞の時の伯夷への言及、暦や取人の法に対する強い関心に、その思想的特徴があることを明らかにし、特にその政治思想において、いわゆる思孟学派との距離が大きいことを示した。また、これらの思想的特徴が先秦文献の中では比較的孤立したものであるが、『尚書』堯典とは大きく重複していることを指摘した。
また、本申請研究の基礎作業である『孔子三朝記』の訳注作業については、その作業をほぼ完了した。なお、そこでの各種注釈の彙集作業はこれまでで最も完備したものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 『孔子三朝記』の構成とその思想2012

    • 著者名/発表者名
      末永高康
    • 雑誌名

      鹿児島大学教育学部研究紀要(人文・社会科学編)

      巻: 第63巻 ページ: 1-22

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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