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2011 年度 実績報告書

ジャイナ教文献研究深化のための『タルカ・バーシャー』翻訳研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520061
研究機関筑紫女学園大学

研究代表者

宇野 智行  筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (40331011)

キーワードヤショーヴィジャヤ / 白衣派 / プラマーナ / 認識過程 / 言語知 / アーガマ / ナヤ
研究概要

平成23年度は,プラマーナ章翻訳研究会(研究組織全員参加)の開催,ナヤ章翻訳擦り合わせ作業,ニクシェーパ章試訳作成を主な作業として執り行い,以下のような新たな知見が得られた.
(1)聖典を起源とする五知説のうち,matijnanaとsrutajnanaの区別については,「ことばに従う」(srutanusarin)か否かという基準がジナバドラによって提唱されており,ヤショーヴィジャヤもジナバドラ説を踏襲している.この基準に従い,matijnanaを「感覚知」,srutajnanaを「言語知」と翻訳することが,最も適切である.
(2)ヤショーヴィジャヤが全面的に依拠しているジナバドラの到達作用説では,耳・鼻・舌・皮膚という四つの感覚器官の場に,それらの対象が到来して接触が起こる.したがって,ジナバドラはこれら四つの感覚器官を`praptakarin'と呼んでおり,感覚器官が対象の場に到達することを意図する`prapyakarin'という語を使用していない.
(3)意欲(iha)の本質は,付随しない属性の否定と付随する属性の結びつけである.つまり,未だ特殊が確定されていない対象について,「眼によって把握されていること」を否定し,「耳によって把握されていること」を結びつける作業そのものである.これらの作業を通じ,「音である」という判断(apaya)が生じる.このように意欲は単なる疑惑ではなく,判断へと向かう知の一段階と考えられる.(4)言語知(srutajnana)の理解扶助のために,ジャイナ教におけるアーガマ観の考察を行った.アーガマとは,救世主を源泉とする「知」の継承行為であり,スートラという形で後の教団に保持されていくものである.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 白衣派ジャイナ教文献における到達作用説2011

    • 著者名/発表者名
      宇野智行
    • 雑誌名

      ジャイナ教研究

      巻: 第17号 ページ: 19-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ジャイナアーガマ覚え書~聖典と知の関連~2011

    • 著者名/発表者名
      宇野智行
    • 雑誌名

      筑紫女学園大学・短期大学部人間文化研究所年報

      巻: 22 ページ: 1-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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