研究課題「社会的宗教と他界的宗教の統合的研究のための理論構築」に沿って、研究を進め、成果は随時、口頭で発表、論文として発表した。 論文は研究成果にあげた3本を発表し、口頭発表は学会2回、招待講演3回を行なった。論文のうち、「公共宗教の多次元的な理解(A Multi-Dimensional Understanding of Public Religion)」は、もっぱら「社会的宗教」に関わるもの、「近代スピリチュアリズムと死後存続の問題」は、もっぱら「他界的宗教」に関わるもの、「社会的宗教と他界的宗教をつなぐ」は、両者の統合的研究の1つの試みである。 学会発表・講演のうち、「密教としての死者祭祀・顕教としての死者祭祀」がもっぱら「社会的宗教」に関わり、「スピリチュアルに関する若干の考察(Some Reflections on the 'Spiritual')」「宗教学から見た本山先生のご業績」はもっぱら「他界的宗教」に関わり、他の2本は両者の統合に関する。また招待講演のうち1つは、アメリカのカリフォルニア人間科学大学院(学長:本山博博士)での講演であり、同校での調査と資料収集、教授陣、研究員との研究交流の一環として行なったものである。 学会発表、招待講演は、来年度中に刊行予定の単著(『社会的宗教と他界的宗教のあいだ-見え隠れする死者-』世界思想社)の一部を成すもので、この単著は、科研の本課題の中間報告として位置付けられる。
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