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2010 年度 実績報告書

心身障害児巡礼運動から生まれた「共生の思想」の現代的意義および可能性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520069
研究機関専修大学

研究代表者

寺戸 淳子  専修大学, 文学部, 兼任講師 (80311249)

キーワード宗教学 / 倫理学 / 共生社会 / 巡礼運動 / 障害者 / カトリック / フランス / 社会問題
研究概要

1. 具体的研究内容
前年度に渡仏しルルドを訪れた際収集した、<信仰と光>巡礼・<障害者と支援者のためのキリスト教事務局>・<L'Arche>・カトリック倫理・社会的カトリシズム運動・障害児支援活動関連資料の分析を進めるとともに、フランス国外にできた初の<L'Arche>共同体であるトロントの<L'Arche Daybreak>を訪れ、責任者、ボランティア・スタッフ(カナダ、日本、ドイツ、ポーランドの出身者)、入居者(1971年に行われた第一回<信仰と光>巡礼の参加者)へのインタビュー調査を行った。<L'Arche>と<障害者と支援者のためのキリスト教事務局>の霊的指導者である司祭・修道士(アンリ・ビソニエ、フィリップ・トマ、ヘンリ・ナウエン)の活動と思想についても研究を進めた。日本の関東地方に4つある<信仰と光>コミュニティーの月例会へも参加し、調査を進めた。
2. 当該年度の研究の意義と次年度への課題
トロントの共同体の調査により、ボランティア・スタッフの国際性も含めた運動の広がりと、現場のニーズに応えることで生まれる独自性という二面、および、若者の公的資格取得の場になっている点の重要性に気づき、その視角からのアプローチの必要性を認識した。またパリ本部の決定で、2011年の<信仰と光>巡礼が過去4回とは大きく方針を転換し、国際巡礼ではなく、大陸・地域単位で行われることになるという思いがけない事態となったが、日本・韓国・香港・台湾がアジアの<信仰と光>として2011年10月に奈良へ巡礼することになり、その調査研究という新たな可能性が生まれたことは、本研究にとってプラスであった。また、本報告書を作成中の2011年5月1日に前教皇ヨハネ・パウロ二世が列福され、彼の「弱さ」の霊性への関心が高まっていることから、本研究も、知的障害児巡礼とヴァチカンの政策との関係の研究という最終目標に変更はないものの、次年度は、障害児の存在がカトリック教会共同体において持ち得る霊的な重要性を最初に述べたパウロ六世ではなく、ヨハネ・パウロ二世と、ジャン・ヴァニエ(前教皇と非常に親しかった)や上記司祭・修道士との、思想・人間的な関係の研究に集中することとした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「奇蹟の聖地」の語り方2010

    • 著者名/発表者名
      寺戸淳子
    • 雑誌名

      社会人類学年報

      巻: 36 ページ: 55-78

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Qui est mon prochain? La construction du lien social dans les activites des Hospitlites de Lourdes2010

    • 著者名/発表者名
      TERADO Junko
    • 雑誌名

      Revue d'Histoire de l'Eglise de France

      巻: 96 ページ: 489-505

    • 査読あり
  • [学会発表] Justice and Care : Development of Ethical Actions in the Modern French Catholic World2010

    • 著者名/発表者名
      TERADO Junko
    • 学会等名
      国際宗教学宗教史会議第20回世界大会
    • 発表場所
      トロント大学(カナダ)
    • 年月日
      2010-08-20

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公開日: 2012-07-19  

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