研究課題
基盤研究(C)
岩下壮一(カトリック司祭)と綱脇龍妙(日蓮宗僧侶)の救癩実践の思想を比較宗教学的に検討した。ふたりの事業への契機とその後の救癩を主題化する過程において両者の思想的相違を比べてみると、前者については、救癩の功徳を岩下は父親の社会的罪の償いに、また綱脇は社会の教化に充てようとしたことがわかった。また、後者については、岩下が患者と教会との倫理的な信頼関係構築により患者の主体形成を図ったのに対して、綱脇は救癩の倫理的諸問題に患者を据えず、「深敬礼拝」の関係論へと短絡的につなげたことがわかった。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
福井県立大学論集
巻: 36 ページ: 19-32