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2009 年度 実績報告書

コンディヤックとボネを通して見る感覚論哲学とその記号論

研究課題

研究課題/領域番号 21520080
研究機関名古屋大学

研究代表者

飯野 和夫  名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 教授 (30212715)

キーワード感覚論 / コンディヤック / ボネ / デリダ / 記号論 / 地下文書 / 世界形成論
研究概要

本研究の目的は、(1)コンディヤックとボネという二人の代表的感覚論者の思想を比較検討し、感覚論哲学の総合的研究の第一歩とすることであり、また、(2)感覚論哲学を現代の観点から捉え返し、その現代的意義を探ることである。
平成21年度は、特に(1)コンディヤックとボネの感覚論哲学の比較研究に着手した。その際、彼らの狭義の感覚論哲学が生まれた背景となる啓蒙時代の思想にも広く注目し、感覚論哲学と親和的な性格を持つ著作が認められないか探った。特に、そうした著作の一つとして、匿名で手写本の形で発表された『世界形成論』に注目し、その研究を進めた。研究の過程でこの著作の日本語訳を完成させた。この研究は、当初は平成22年度に予定していたが、フランス十八世紀を研究する研究者たちで進めている『啓蒙の地下文書』という翻訳出版計画に『世界形成論』を含める都合上、予定を前倒しした。この翻訳書の出版は平成22年末から23年初頭が予定されている。
コンディヤックとボネの感覚論哲学の比較研究それ自体においても、「恐怖」などの感情が両者によってどのようにとらえられているかについて研究を進め、論文化する途上にある。こうした比較研究については平成22年度にさらに本格化させる予定である。
他方、(2)現代フランスの代表的哲学者デリダと、コンディヤックの感覚論哲学の接点も探求した。デリダは、コンディヤックが自らの『人間知識起源論』の内容を「組み換え」ようとしたことを、現代思想における「事後性」の概念を用いて論じている。報告者は、この点を論文化しながら、感覚論と現代思想との関係をさらに探求する予定である。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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