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2011 年度 実績報告書

17世紀・釜山窯の成立過程とその展開

研究課題

研究課題/領域番号 21520095
研究機関東京芸術大学

研究代表者

片山 まび  東京芸術大学, 美術学部, 准教授 (80393312)

キーワード陶磁器 / 朝鮮時代
研究概要

1.研究の具体的内容
22年度の調査により、釜山窯の窯道具等の窯業技術が朝鮮系の技術から京都、もしくは肥前の技術へと移行している姿が確認できたことが明らかになった。本年度はこの成果を踏まえ、朝鮮陶磁・京都・肥前の技術との比較を目標としていたが、さらに朝鮮系から京・肥前系の技術へと移行する年代を明らかにすることに焦点を絞り、年代の確かな資料、および根拠となる史料について調査を行った。
具体的には、個人所蔵の資料や釜山窯を最初に研究した浅川伯教の資料を調査し、古史料に登場する原料や技術の記載に見られる日本陶磁の技術との関連について、韓国の陶磁原料学を専門とする研究者と意見交換を行った。また年代の確かな対馬・金石城跡、東京大学構内遺跡から出土した釜山窯片の調査を行った。そのほか御用絵師であった狩野常信が絵付けに関わっていることに着目し、常信関連の資料を収集、絵画と茶碗の比較を行ったが、結果として朝鮮風の変容を行わず、むしろ狩野派絵画の特色を前面に押し出していることが明らかとなった。
2.研究の意義と重要性
以上の調査結果より、延宝9年(1681)の釜山窯の草梁移転に伴い、大幅に技術が日本風に転じる契機となったことが明らかになった。現在までの研究では様式の変化については指摘されてきたものの、具体的な技術の変化とその年代が指摘されたことはなく、意義を求めることができよう。また本研究成果について、最終年度の調査での補足にもとづき発表を行うならば、新たな釜山窯研究の基礎を築くことができ重要性を持つと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

釜山窯における朝鮮系から日本の技術へ変化するに至る年代や作例など具体的な証拠資料を収集するにいたったため。

今後の研究の推進方策

平成24年度で科研費における研究は終了するが、詳細な報告のない釜山窯の陶片資料について、本研究で得られた確かな年代資料とともに紹介することを試みる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 釜山窯の窯跡の現況と採集片について2011

    • 著者名/発表者名
      片山まび・永井正浩
    • 雑誌名

      木村定三コレクション朝鮮陶磁(愛知県美術館)

      ページ: 92-93

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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