研究概要 |
1)ソフォニズバ・アングィッソーラに関し、PERLINGIERI, Ilya Sandra, Sofonisba Anguissola. The First Great Woman Artist of the Renaissance, New York, Rizzoli, 1992と国際展図録AA.VV.(e Mina Gregori), Sofonisba Anguissola e le sue sorelle, Centro culturale "Citta di Cremona," Cremona, Italy, Sept. 17-Dec. 11, 1994 ; Leonardo arte, Milano, 1994その他を参照しつつ、約40点の現存作例のうち、作者帰属等について検討しな基本情報と解説批評の例を整理した。 2)15-16世紀の肖像画史とソフォニズバに関する批評記述のほか、女性の「美徳」に関わる文献を収集し、精読しながら分析を進め(L・B・アルベルティ、1434/35年、レオナルド・ダ・ヴィンチ、15世紀末、G・ヴァザーリ、1550-1568年、G・P・ロマッツォ、1584年等)、女性美術家が描いた肖像画に対する賞賛は、主題となる像主の容姿や長所あるいは「徳」を賞賛する言辞と重なりあう傾向を強く持っていたことの論証・解明に関する準備が進んだ。 3)ソフォニズバ作品の多くはイタリア各地(クレモナ、シエナ、フィレンツェ、ナポリ)とスペインのマドリッドに散在するうえ、常設展示されていない例があるため、22年度に向けて見学予約の交渉を開始した。
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