明時代初期(14世紀末~15世紀初)、景徳鎮には御器廠(官窯)が設置され、中国陶磁史上、はじめて制度の整った官窯が誕生した。しかし、最近の窯趾発掘報告から、景徳鎮以外の龍泉窯や鈎窯においても「官窯タイプ」の陶磁器生産が行われたという可能性が出てきた。明初官窯は従来言われていたように一元的ではなく、多元的であることが明らかになりっっあり、今回の研究方法にっいては、出土品の様式分析だけではなく、科学分析、文献史などの多角的な視野からアプローチを試み、また地域についても、「官窯タイプ」の陶磁器が景徳鎮だけではなく、龍泉窯や鈎窯などいくっかの窯に広がっていたことが確認された。
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