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2010 年度 実績報告書

古代ギリシアの音階理論のローマ帝政期における展開

研究課題

研究課題/領域番号 21520123
研究機関秋田大学

研究代表者

山本 建郎  秋田大学, 名誉教授 (30006572)

キーワード音楽理論(楽理) / 音楽史 / 美学 / 哲学 / 西洋古典
研究概要

アリスティデーズ『音楽論』全三巻のとくに第三巻の訳稿の推敲と注釈作りに専念した。第三巻は音階の自然学的考察と銘打たれているが、当時の自然学の通念とそれぞれの音程及びそれを構成する楽音との類比的な関係が論じられるので、自然学とは言え現代の科学的な観念に基づいて考えるととんでもないこじつけめいた議論が続出する。それをこじつけとして却下するのは簡単だが、その関係づけから当時の平均的な知識人の音楽理解(音楽観)を再構成し、そこからの反照として音階理論の体系化を期したので、作業は煩雑を極めた。あまつさえ当時の自然学の諸観念には価値理念の諸観念が対応しているので、作業は古代社会末期の総合的な精神史の再構成の様相を招来し、無際限に拡がった感がある。今年度の実績としては未だ形をなしてはいないが、来年度に引き続き検討を重ねる基礎は十分に成った。二度にわたる海外研修旅行(南イタリアのレッチェにおける研究集会、イギリスのレディングにおける研究集会及びアテネ大学訪問)においては海外の先端的研究者との意見交換に大きな成果が獲られたが、当初予定していたアトス山訪問によるギリシア正教の旋律の採録には及ばなかった。この点は反省材料として、来年度の課題として残したい。本邦の伝統音楽の音階との比較考証についても、謡曲の音律の検討、雅楽の音階の分析等に実践的な認識の深よりはなし得たが、総合的な整理には至っていいない。これも来年度の総合的な総括に委ねられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 正義と善-プラトンの彷径2010

    • 著者名/発表者名
      山本建郎
    • 雑誌名

      ペデラヴィウム

      巻: 65 ページ: 4-37

    • 査読あり
  • [学会発表] バーカー教授の近著 The Science of Harmonics in Classical Greeceについて2011

    • 著者名/発表者名
      山本建郎
    • 学会等名
      日本音楽学会 東北北海道支部
    • 発表場所
      宮城学院女子大学
    • 年月日
      2011-02-19

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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