研究課題/領域番号 |
21520126
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
宮永 美知代 東京芸術大学, 美術学部, 助教 (70200194)
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研究分担者 |
小松 佳代子 東京芸術大学, 美術学部, 准教授 (50292800)
青柳 路子 東京芸術大学, 美術学部, 助教 (70466994)
島田 和幸 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80130524)
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キーワード | 美術解剖学 / 教育 / 人体 / 書誌 / 生と死 |
研究概要 |
1.生と死の学びとしての美術解剖学の研究として、以下が行われた。第1に「生者に対する死者の効用」を説き、世界最初の献体の意義を自ら実践したジェレミー・ベンサムと彼自身であるAuto-Iconに関しての研究がまとめられた。また、医学部での解剖見学に参加した芸術大学・美術大学の学生の見学レポートを収集した。また、約3ヶ月間に渡る解剖実習を経験した医学部・の歯学部学生の実習を通して考え、感じたことに関するレポートを収集した。両方のレポートを現在分析中である。 2.ドイツのツォラー教授をベルリン・ヴァイセンゼー美術大学の講義室に訪ね、美術解剖学講義について意見交換をした。一方、ライプツィヒ・グラフィック大学でユニークな美術解剖学を行っていたガルシュケ教授が5月に急逝され、来日され交流を深める機会を失った。しかし、彼の大学に残された美術解剖学標本と、遺族か所蔵の氏のスケッチや膨大な鳥類の解剖の内容を知ることができた。ツォラー氏とガルシュケ氏の美術解剖学の内容から、比較解剖学の学ひが大きな意味を持っていることを再確認した。 3.ライプツィヒ大学解剖学研究所の招待を受け、セミナーで日本の美術解剖学研究の一端の紹介する講演を行い、先方の研究者と交流した。その後650年の歴史のあるライプツィヒ大学の見学を通して、現在の解剖学の内容の位置づけを確認した。彼の研究所では、細胞と分子生物学に重心があり、肉眼解剖学部門が縮小されている現実があった。しかし等身大で人体を見る視座は医学においても重要であることに変わりはないようで、複雑な解剖学の内容を学生たちへ、いかに理解しやすく伝達するかを、現代的な技術を駆使している標本の状態を見ることができた。 4.医療の臨床に美術解剖学と美術教育がどのように関わることができるかを考察してゆく手がかりを、研究会を通して得ることができた。
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