ル・コルビュジエが「東方への旅」で残した多くのスケッチや写真の対象が、なぜその場所や構図で描かれ撮影されたのかを、現地調査を通じて分析した結果、装飾や部分の詳細表現が特徴的な、この旅に出る前の彼のスケッチに比べて、トルコやギリシャ、イタリアの歴史的な建築や遺跡の、より建築的に本質的なヴォリュームとそれらの配置、構図への関心が増大し、周辺の場所や対象、構図の可能性の中で、この関心を最も的確に満たすシーンが中心主題とされ、しかもこの本質を捉える能力が彼のその後の作品や著作に活用されていることが実証的に明らかとなった。
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