• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

音楽伝承の多様化と統合のダイナミクス:江戸時代の雅楽伝承と楽人の交流

研究課題

研究課題/領域番号 21520138
研究機関神戸大学

研究代表者

寺内 直子  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10314452)

キーワード伝統音楽 / 雅楽 / 江戸時代 / 唱歌 / 楽人 / 龍笛 / 篳篥 / 流派
研究概要

本研究は、江戸時代の雅楽の伝承の系統について、楽人の家系と実際の管楽器の楽譜の分析によって、分析、研究することを目的としている。
楽譜は、特に「唱歌(しょうが)」と呼ばれる、意味の無い音節から鳴る旋律を覚えるための歌の楽譜を分析の中心としている。昨年度は、楽人の系統の基礎的な調査・整理と、楽譜の調査収集、入手した資料の分析を行った。本年度は、昨年収集した資料のさらに詳細な分析と、未入手資料の調査、分析を行った。分析した資料は、宮内庁書陵部蔵の龍笛譜『龍笛仮名譜(兼頼譜)』『六調子曲譜 和琴(貞致譜)』『六調子曲仮名譜(新浄安院譜)』『六調子曲仮名譜(季資譜)』、専修大学蔵の一連の「狛家 横笛譜面(近貞譜)」、東北大学狩野文庫蔵の龍笛譜、篳篥譜10本程度である。その結果、唱歌の子音と母音の使い方、音を延ばす音引きの表記の観点から、江戸時代には、数種類の系統があることがわかった。
上記と平行して、本年度はさらに、狛氏の『楽所録』(国会図書館蔵)、東儀文均の『楽所日記』(国会図書館蔵)、四天王寺林家旧蔵楽書類(京都大学図書館蔵)などの記録類の記述から、江戸時代の宮中行事、武家の行事における楽人の奏楽実態等について分析を行った。その結果、日常の行事、特別な行事、関西でなく江戸や日光で行われる行事などのいくつかの異なる機会による、参加する楽人の顔ぶれ、系統の差異などが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 東儀兼頼撰『龍笛吹艶之事』と江戸時代初期の龍笛の系統2010

    • 著者名/発表者名
      寺内直子
    • 雑誌名

      国際文化学研究

      巻: 34 ページ: 1-43

    • URL

      http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81002554.pdf

  • [図書] 雅楽を聴く~響きの庭への誘い2011

    • 著者名/発表者名
      寺内直子
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      岩波書店

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi