本格的な再評価がなされるようになってきたチェコ・バロックについて、重要な文献資料をほぼすべて収集し、実地調査によって数百枚に及ぶ貴重な画像を撮影することができた。プラハに新たに設置されたチェコ国立美術館バロック分館、モラヴィア地方の古都オロモウツの独自で豊かなバロックの文化遺産も調査できた。研究を通してチェコ・バロックを、1.迷宮、2.楕円3.歪みという、3つの表象的モチーフから捉えて分析する方法を考え出し、それによってチェコ・バロックの全体像に迫る上で有効な視点を確立することができた。この研究をまとめて研究書を刊行する予定である。
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