本研究は、オットー・ノイラートによって実践された1930年代のアイソタイプ運動から、1960年代頃に世界的規模で推進されたグラフィックシンボルの標準化の動向にまで至る「国際視覚言語」探究をめぐる歴史的系譜の一端の解明を試みた。ノイラートの活動を批判的に継承したルドルフ・モドレイの活動に着目し、両者の活動を比較することで、グラフィックシンボルの世界的普及という目標に対して貢献したのは、ノイラートではなくむしろモドレイであったことを指摘し、モドレイの第二次大戦後のグラフィックシンボル標準化を目標とした活動を明らかにした。
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