戦時下および冷戦期において、ポーランドの前衛美術の果たした役割について調査を行った。5月にヤギェウォ大学(クラクフ、ポーランド)にて行われた日本ポーランド美学会に出席してポーランドと日本の現代美術についての発表を行い、研究者と討議をすると同時に、クラクフにオープンした現代美術館館長のマーシャ・ポトツカ氏と面談して意見交換を実施、ヴロツワフのWROメディアアートセンター主任学芸員のピョートル・クラェフスキ氏とも意見交換を行うと同時に資料の収集を行った。7月には日本美術技術博物館(クラクフ)にて須田悦弘の展覧会を開催して学芸員や専門家や作家と日本及びポーランドの現代美術について討議し、またヴェネチア・ビエンナーレにおいてポーランドを含めた旧東欧圏の作家たちが現在どのような位置付けにあるかを確認した。また8月には横浜にてクシシュトフ・ヴォディチコを招いてのシンポジウム「戦争とアート」に参加して展示を実施、11月には東京にて日本およびポーランドの作家、学芸員、研究者を交えたシンポジウムを行い、関連する作家や学芸員たちとポーランドの前衛とその継承、社会において果たす役割について討議を行った。3月には京都市立芸術大学ギャラリー・アクアとYumiko Chiba Viewing Room(新宿)にて、ドミニク・レイマン個展「遠くて、近すぎる」を実施し、東北大震災後の日本において作品を発表することの意味とポーランド美術の特質について作家と対談を行った。東京外国語大学ポーランド文化研究室の関口時正教授並びに神奈川県立近代美術館館長の水沢勉氏、大阪大学の圀府寺司教授、埼玉大学の井口壽乃教授にも協力を依頼し、資料収集につとめた。
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