研究課題/領域番号 |
21520151
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中川 眞 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40135637)
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研究分担者 |
山口 悦子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 病院講師 (60369684)
増田 聡 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50325304)
諏訪 晃一 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 助教 (50440962)
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キーワード | 芸術・文化政策 / アートマネジメント / コミュニティ / 文化復興 / 社会的包摂 / ソーシャルガバナンス / 社会的排除 / 現代アート |
研究概要 |
本研究は、弱体化した地域コミュニティの賦活や再生に、芸術、特に現代芸術がどれほど資することができるのか、ということを考察するのが目的である。そこでは、従来のコミュニティ再生論にはない新たな視点、他方では、社会と遊離しがちであるといわれる現代芸術の新たな存在意味、この2点が同時に問われ、明らかとなる。以上の目的に即して、H21年度では、実施計画に沿って、以下の実践的研究を行った。第1に、大阪市立大学医学部附属病院での療養環境改善活動であり、分担者(山口)が主導する病院内チーム、そしてアーティストと協働して「院内アート」の可能性について研究した。第2に、2006年にインドネシアで発生したジャワ島中部地震に伴う社会包摂的なイベントである「創造音楽祭」(6月)を企画、参加した。第3に、その包摂的活動から生まれた文化交流の実践として、神戸において「マンデイ・サマサマ」(8月)、ジャワ音楽ワークショップ(10月)を実施した。以上の現場において、様々なコミュニケーションの実際を観察、記録にとれたことはデータベース化にとっての大きな過程となり、そこからコミュニティの創出あるいは再生といった今日的課題に応えることのできる成果を挙げる見通しが立ちつつある。コミュニティの再生が重要な社会的課題となりつつある現在において、本研究は、従来の福祉的な社会政策とは異なる視点を提供するものとして重要性が増大していくことが予想される。
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