ゴシック・リヴァイヴァルとラファエル前派-建築と絵画の芸術文化的総合

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21520166
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 芸術学・芸術史・芸術一般
• 研究機関: フェリス女学院大学
• 研究代表者: 近藤 存志 フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (00323288)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: ゴシック・リヴァイヴァル / ラファエル前派 / アングロ・カトリシズム / オックスフォード運動

研究概要

19世紀イギリスの建築分野におけるゴシック・リヴァイヴァルの流行と、絵画分野に興ったラファエル前派はともに、国際化著しい当時のイギリス社会に芽生えた「イギリス人意識」や、イングランド国教会内に興隆したアングロ・カトリシズムなど、当時の時代精神の諸相と深く結びつきながら展開した。本研究は、建築と絵画に同時代的に興ったこれらの中世主義的芸術運動を、同一の時代精神の芸術文化的表現として検討し、中世のキリスト教的社会と芸術創造環境の再興を模索した総合芸術運動として確認した。

研究成果

• [雑誌論文] 主題としての<憐れみ>と<キリストの贖罪>-ウィリアム・ホルマン・ハントとエドワード・バーン=ジョーンズ (2011)
  • 著者名/発表者名: 近藤存志
  • 雑誌名: フェリス女学院大学文学部紀要 巻: 46巻 ページ: 33-56
• [雑誌論文] 暴かれた現実とキリスト教的憐れみの実践-ラファエル前派が見た改良されるべき社会 (2011)
  • 著者名/発表者名: 近藤存志, 向井秀忠・近藤存志
  • 雑誌名: ヴィクトリア朝の文芸と社会改良(音羽書房鶴見書店) ページ: 139-182
• [雑誌論文] 信仰告白としての芸術表現-ゴシック・リヴァイヴァルとキリスト教的<社会改良> (2011)
  • 著者名/発表者名: 近藤存志, 向井秀忠・近藤存志
  • 雑誌名: ヴィクトリア朝の文芸と社会改良(音羽書房鶴見書店) ページ: 247-271
• [雑誌論文] 描かれた社会悪としての<無関心>-ホガース、ライト、ラファエル前派 (2010)
  • 著者名/発表者名: 近藤存志
  • 雑誌名: フェリス女学院大学文学部紀要 巻: 45号 ページ: 31-60
• [雑誌論文] 絵画における教会建築的空間デザイン-ジョン・エヴァレット・ミレイの≪両親の家のキリスト≫に見られるアングロ・カトリック的空間の構想 (2010)
  • 著者名/発表者名: 近藤存志
  • 雑誌名: デザイン史論(デザイン史フォーラム) 巻: 4巻 ページ: 22-32
• [雑誌論文] Semi-Monastic Life and the Revival of Medieval-Gothic Designs : Artistic Creativity as a Confession of Faith (2010)
  • 著者名/発表者名: Ariyuki Kondo
  • 雑誌名: Design and Craft : A History of Convergences and Divergences ページ: 252-256
• [雑誌論文] Pictorial Reconstruction of Ecclesiastical Design : Anglo-Catholic Spatial Conception in John Everett Millais's Christ in the House of His Parents (2009)
  • 著者名/発表者名: Ariyuki Kondo
  • 雑誌名: Design Discourse(Design History Forum)(On-line Journal) 巻: Vol.4, No.2 ページ: 12
  • URL: http://www.designhistoryforum.org/dd/modules/back_issues/index.php?page=singlefile & cid=16 & lid=34
  • 査読あり
• [雑誌論文] Design as Emblem : The Royal Courts of Justice in Imperial Britain
  • 著者名/発表者名: Ariyuki Kondo
  • 雑誌名: Rigor and Relevance in Design(Korean Society of Design Science-IASDR2009 Proceedings) 巻: 10
  • 査読あり
• [学会発表] Design, Space and Ceremony : Nationalistic-Religious Allegorical Themes in the Gothic Revival (2011)
  • 著者名/発表者名: Ariyuki Kondo
  • 学会等名: Annual Conference of North American Victorian Studies Association
  • 発表場所: Vanderbilt University, Nashville, TN, USA
  • 年月日: 20111103-06
• [学会発表] 近代芸術文化における教会堂建築 (2011)
  • 著者名/発表者名: 近藤存志
  • 学会等名: 日本建築学会建築歴史・意匠委員会西洋建築史小委員会主催第2回西洋建築史若手研究者研究発表会
  • 発表場所: 東京・建築会館
  • 年月日: 2011-11-19
• [学会発表] <芸術>に対する<信仰>の勝利-近代イギリスの宗教的・愛国的芸術と文学テクスト (2011)
  • 著者名/発表者名: 近藤存志
  • 学会等名: 日本キリスト教文学会第405回月例研究会
  • 発表場所: 桜美林大学四谷校舎
  • 年月日: 2011-01-08
• [学会発表] Semi-Monastic Life and the Revival of Medieval-Gothic Designs : Artistic Creativity as a Confession of Faith (2010)
  • 著者名/発表者名: Ariyuki Kondo
  • 学会等名: ICDHS 2010 : 7th Conference of the International Committee of Design History and Design Studies
  • 発表場所: Paleis der Academien, Brussels, Belgium
  • 年月日: 20100920-22
• [学会発表] Design as Emblem : The Royal Courts of Justice in Imperial Britain (2009)
  • 著者名/発表者名: Ariyuki Kondo
  • 学会等名: International Association of Societies of Design Research 2009
  • 発表場所: Republic of Korea
  • 年月日: 20091018-22
• [図書] (仮題)キリストの肖像-ラファエル前派と19世紀イギリスの画家たち (2012)
  • 著者名/発表者名: 近藤存志
  • 総ページ数: 200
  • 出版者: 教文館