研究課題/領域番号 |
21520169
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
森 公一 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (60210118)
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研究分担者 |
砥綿 正之 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (50249372)
二瓶 晃 大阪成蹊大学, 芸術学部, 准教授 (30368435)
真下 武久 成安造形大学, 芸術学部, 講師 (10513682)
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キーワード | メディアアート / インタラクティヴ・アート / 脳科学 / 生体情報 / 情動 / 芸術と科学 |
研究概要 |
本研究は、生体機能の情報化技術に基づく実験的表現等によって、芸術と科学の融合、とりわけメディアアートと脳科学の融合の可能性を開くことを目的としている。22年度については、「生体機能の情報化技術や脳神経科学に関わる調査」、「芸術と科学を融合する表現実験の調査」をふまえ、テーマにふさわしいシステムの開発を目指した。準備段階においては、LED照明による色彩やストロボ光の刺激を鑑賞者に与えるプロトタイプ作品の制作と予備実験を行った。続いて光や音が人の「情動」にどのような影響を与えるのか、fNIRSやEEG、パルスオキシメーターなどの計測機器を用いた臨床実験によって検証した。 これら予備的な実験の分析結果に基づいて、メディアアート作品『光・音・脳』を制作した。本作品は、LED照明による多様な色彩や周波数のイコライジングによって得られる多様な音を鑑賞者に与えながら、前頭葉における血行動態を計測することによって「快/不快」情動の状況を特定し、「快」の情報が取得できた時に限って、その時に与えられていた色と音を持続させるバイオ・フォードバック・システムとした。 本作品は、京都国立近代美術館で開催された「Trouble in Paradise/生存のエシックス」において展示を行い、数多くの鑑賞者から光・音の変化と情動の関係を示すデータ及びアンケートを取得することができた。展覧会以降これらのデータを分析し、光・音と情動の関係について検証を進めている。
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