本年度のプロジェクトの実施と成果は以下のとおりである。 第一に、メディアアートを中心に、デジタル映像を扱った表現について、関連文献を収集、調査研究をおこなった。 第二に、カールスルーエ(ドイツ)のZKM、リンツ(オーストリア)のアルスエレクトロニカ・センター、ロンドン(連合王国)の映画研究所、2009年ヴェネチア・ビエナーレ、パリ(フランス)の芸術・技術博物館など、デジタル映像表現の最先端の成果を収集、評価、展示する欧州の主要な美術館、博物館を訪問し、実地調査をおこなった。 これらにより、デジタル映像表現の今日の状況を観察・分析するとともに、現状の課題について理解を深めた。 成果としては、以下のものをおこなった。 まず、横浜国際映像祭におけるカタログの一部を執筆、また同映像祭のシンポジウムにおいてシンポジウム「ハイブリッド・メディアとは何か」へ参加などをはじめ、次頁に記載したような論文、学会、書籍による発表をおこなった。また、表象文化論学会第4回研究発表会において、その成果の1部を発表した。東京大学と東京芸術大学が共催した「メディアアート」をめぐる連続シンポジウムの第二回(10月10日)に基調講演者として参加し、このプロジェクトの成果を発表した。
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