近代国文学始発期に重要な足跡を残した藤岡作太郎の日記解読が本研究の主要な目的である。明治38年~明治43年2月の彼の死に至るまでの日記については解読を終え、注を付して公刊した。現在、明治32年日記後半部の解読をすすめている。この日記に付されたメモにより日記執筆時の具体的な手順などを知ることができた。 藤岡の編纂した中等学校向け国語教科書の検討を通して、明治期の国語教育における「文語」の位置について新しい知見を得ることができた。また、『李花亭蔵書目録』を翻刻して、彼の蔵書形成のプロセスを明らかにし、さらに、石川県立図書館に寄託されている現在の蔵書とつきあわせた。
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