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2011 年度 実績報告書

支考俳論と美濃派伝書の俳諧史的展開の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21520188
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

中森 康之  豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (80320604)

キーワード支考 / 美濃派 / 蝶夢 / 伝書
研究概要

1、『俳諧十論』の注釈書(『十論裸問答』『俳諧十論発蒙』『十論記文秘説』『十論聞書』『俳諧十論弁秘抄』『十論桟梯』『十論為弁解』『俳諧十論解』『俳諧十論衆議』『俳諧十論衆議拾遺』『非十論』など)の調査、研究を行った。その結果、江戸時代の『俳諧十論』解釈は、近代以降のそれと比して、支考に対する過度な偏見はなく、それぞれの俳諧観に応じてではあるが、『俳諧十論』自体をきちんと読もうとしていたことが明らかとなった。
2、支考俳論・美濃派と、蝶夢俳論(俳諧観)の関係について研究を行った。その結果、蝶夢は同時代の〆美濃派の在り方には批判的であったが、支考についてはむしろ深いところで共感していたことが明らかとなった。
3、『風俗文選』の解読を開始した。来年度に継続するが、現時点で、許六と支考の俳文集に対する考え、方の違いが明らかとなり、支考の俳諧観、俳諧活動の特徴が明確になるという見通しが得られた。
4、『風俗文選通釈』、『俳諧答問抄』など、反美濃派・非美濃派の俳書の中に見られる支考の影響の調査を開始した。来年度に継続するが、当初の見込み通り、多くの影響が見られることが具体的に指摘できる見通しが得られた。
5、許六系伝書等、非美濃派的な俳書(伝書)の調査を行った。
6、Webサイトの開設準備がほぼ調った。来年度4月中には公開する予定である。
上記調査、研究により、江戸時代中期以降の支考と美濃派の享受のされ方が具体的に明らかとなってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査、研究は申請時の予定通り進行している。今年度から開始した項目についても、当初の見込み通りの結論がえられる見通しが得られつつある。Webサイトも4月中には公開できる準備が整っており、おおむね順調に進展していると考えてよい。

今後の研究の推進方策

本研究の最終年度である来年度は、これまで平行して行ってきた研究項目を、本研究の主テーマに即して具体的に資料を提示しながらまとめる。個人の研究と同時に、二つの研究会(俳論研究会、『風俗文選』研究会)を定期的に開催する。また、Webサイト、研究発表、論文などで成果を報告する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 俳諧條々2012

    • 著者名/発表者名
      中森康之
    • 雑誌名

      俳文学研究

      巻: 57 ページ: 1-2

  • [雑誌論文] 蝶夢と支考-俳諧における「まことの心」の系譜-2011

    • 著者名/発表者名
      中森康之
    • 雑誌名

      国語と国文学

      巻: 88巻(5) ページ: 125-135

    • 査読あり
  • [図書] 松尾芭蕉(21世紀日本文学ガイドブック5)2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤勝明
    • 総ページ数
      58-74
    • 出版者
      ひつじ書房

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公開日: 2013-06-26  

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