研究概要 |
本年度は日本各地の図書館や文庫に所蔵されることば遊び関連の古文献資料(写本、版本)の複写収集とその調査を中心的に行った。具体的には『白癡問答(はくちもんどう)』(東北大学狩野文庫蔵),『回文集(かいぶんしゅう)』(東北大学狩野文庫蔵),『回文歌僊(かいぶんかせん)』(松宇文庫蔵),『回文発句集(かいぶんほっくしゅう)』(松宇文庫蔵),『回文一送(かいぶんいっそう)』(松宇文庫蔵),『和歌回文百首(わかかいぶんひゃくしゅ)』(大阪市立大学森文庫蔵),『鈍字集春の寿(どんじしゅうはるのことぶき)』(東京芸術大学脇本文庫蔵),『仮名(かな)はんじものなぞなぞ』(上田図書館花月文庫蔵),『新法狂字図句画(しんぼうきょうじずくえ)』(名古屋市蓬左蔵)等の複写を入手し,調査を開始した。 それら文献資料については,来年度以降に具体的な調査結果を成果として発表する予定である。 一方,昨年度に引き続き自らもことば遊びにかかわる文献資料の収集を直接的に行った。具体的に挙げれば,『謎々春の雪(なぞなぞはるのいき)』『なぞづくし』『小野篁歌字尽(おののたかむらうたじづくし)』『訓蒙夷曲歌字尽(きんもうきょうかじづくし)』などの資料を収集した。 また,既に収集していた『どふけ一筆(ひとふで)がき』『しん板文字ゑ五十三次』という文献資料の紹介と位置付けを行ない、『大阪教育大学紀要(第I部門)』第59巻第1号に「文字絵資料再考」と題する論文を発表した。 研究の成果の一端については、伊丹ことばあそび大会(2010年10月3日)、京田辺市中央公民館講座(2011年3月11日)で講演を行った他、医療生協情報誌「comcom」誌上に「ことば遊びクイズで脳トレーニング」を連載し、一般向けに公開した。
|