• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

大岡昇平文学の基礎的および総合的研究―構想ノート・草稿類を含む―

研究課題

研究課題/領域番号 21520217
研究機関立命館大学

研究代表者

花崎 育代  立命館大学, 文学部, 教授 (00259186)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワード国文学 / 大岡昇平 / 戦後文学 / 草稿研究 / 『俘虜記』 / 『武蔵野夫人』 / 『野火』 / GHQ
研究概要

大岡昇平文学の研究史上、構想ノート・草稿類を含む自筆資料までを視野に入れたものは、ほぼ皆無であった。本研究はこの現状に鑑み、草稿・原稿段階からの大岡文学の基礎的総合的研究を企図したものである。平成21年度からの4年間の本研究の計画では、とりわけ大岡昇平の作家的出発期であることの重要性と、かつ日本における紙媒体の質の問題から、その変性劣化による判読不能が危惧される喫緊の課題という緊要性を有する昭和20年代の『俘虜記』『武蔵野夫人』『野火』を中心とした原稿類を調査してきた。
最終年度である平成24年度は、まず、本研究開始から三年間行ってきた、神奈川近代文学館(神奈川県)が所蔵する大岡昇平自筆資料のうち上記三作品およびこれに関連する作品について、デジタル一眼レフカメラにより撮影した草稿類の総合的精査を行った。遺漏がある場合には再調査や追加的撮影が必要であると予想されていたが、過去三年間の研究対象に関しては、追加的撮影等は不要であった。そのため、最終年度として、時間的に考察に集中することが可能となったのみならず、資金的にも関連書籍購入を十全に行うことが可能となった。
研究成果物としては、過去三年間の調査及び考究を論考としてまとめ、公刊した。他に、本研究が対象とした時期における大岡の外国文学の摂取や同時代文学者との作品上のかかわりなどについて、学術誌『三島由紀夫研究』『昭和文学研究』で論考を発表した。また『武蔵野夫人』生成過程を中心とした国際高等研究所での口頭発表を平成25年3月に『受容と創造性』の一章「恋愛と結婚と」として公刊(フランス語訳は平成23年既刊)した。
なお、平成25年5月には、日本近代文学館(東京都)の図書資料委員会(委員長 中島国彦氏)において、これまでの成果を含めた大岡昇平自筆資料の調査研究と今後の展望について口頭発表が予定されている。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大岡昇平『野火』草稿にみる『俘虜記』との分岐、差異化と生成――「動物的」な「恐怖」「愛情」から「社会的感情」「生物学的感情」へ――2013

    • 著者名/発表者名
      花崎育代
    • 雑誌名

      立命館文学

      巻: 630 ページ: 278/285

  • [雑誌論文] 草稿からの分化、作品生成へ――大岡昇平「出征」と『野火』――2013

    • 著者名/発表者名
      花崎育代
    • 雑誌名

      国文目白

      巻: 52 ページ: 171/176

  • [雑誌論文] 大岡昇平における<不条理>――俘虜・赤十字・カミュ――2012

    • 著者名/発表者名
      花崎育代
    • 雑誌名

      昭和文学研究

      巻: 65 ページ: 24/34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 三島由紀夫と大岡昇平――『聲』創刊前の「鉢の木会」時代を中心に――2012

    • 著者名/発表者名
      花崎育代
    • 雑誌名

      三島由紀夫研究

      巻: 12 ページ: 37/48

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大岡昇平手稿「俘虜記」の考察――僚友・「私のプライド」・俘虜の<恥>――2012

    • 著者名/発表者名
      花崎育代
    • 雑誌名

      論究日本文学

      巻: 96 ページ: 99/113

  • [学会発表] 大岡昇平の自筆資料を調査して

    • 著者名/発表者名
      花崎育代
    • 学会等名
      日本近代文学館図書資料委員会
    • 発表場所
      日本近代文学館(東京都)
  • [図書] 受容から創造性へ――日本近代文学におけるスタンダールの場合2013

    • 著者名/発表者名
      花崎育代(ジュリー・ブロック)
    • 総ページ数
      5(297)
    • 出版者
      財団法人国際高等研究所

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi