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2010 年度 実績報告書

近代英国演劇における挿入歌の劇的機能についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520230
研究機関岩手大学

研究代表者

境野 直樹  岩手大学, 教育学部, 教授 (90187005)

キーワードシェイクスピア / 挿入歌 / 観客論 / 英国演劇 / 英米文学
研究概要

Thomas MoleyからThomas Maceにいたる英国近世初期室内楽・歌曲の演奏形態についての文献調査の成果をてがかりに、リュートやヴィオール属の楽器による編成の、いわゆるブロークン・コンソートが、屋内の静寂な空間での演奏を前提とすることを確認し、シェイクスピアの『お気に召すまま』が、少なくともFirst Folioのまま挿入歌をすべて演奏する形態でグローブ座のような青空天井の大衆劇場で上演されることは、きわめて困難であったはずとの知見を得た。これは、この喜劇が大衆劇場に詰めかけた下層階級や相続・贈与を受けられない社会の「負け組」たちを鼓舞する転覆的イデオロギー装置であったと論じる、L.Montroseによる新歴史主義の代表的な論文への反論となり得る重要な視点である。『お気に召すまま』はoccasional playとして構想されたのかもしれない。
さらに、最近新たにシェイクスピア作と認定されつつあるH.StanfordのCommonplace book所収の「エピローグ」がこの戯曲の、エリザベス女王御前上演のためのものである可能性を、近年の書誌学・文体解析研究の成果を受けて確認した。牧歌様式の寓意化による諷刺は、エセックスの不遇と劇中の追放された公爵の表象の近似に呼応する可能性が高い。さらには上演形態の変容における道化の役割の変化との関係において、主として「聴くもの」から「観るもの」への演劇の変容を鍵として、挿入歌の果たしえた機能について研究した。成果は学術論文として発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The Song Remains the Same? -As you Like It の挿入歌をめぐる考察2011

    • 著者名/発表者名
      境野直樹
    • 雑誌名

      岩手大学英語教育論集

      巻: 13 ページ: 113-128

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公開日: 2012-07-19  

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