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2010 年度 実績報告書

ワーズワスにおける湖水地方の農民像の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520234
研究機関山形大学

研究代表者

小田 友弥  山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (20085468)

キーワード湖水地方 / 共和主義 / 農民
研究概要

平成22年度は、主として二つの視点から研究を進め、以下のような成果を得た。
(1)共和主義は市民の自主的な公共活動への参加を前提とするので、市民は経済的に独立した自営農民であることが理想とされた。本研究では、こうした共和主義の理念が、18世紀後半のイギリスにおいで、農業革命などがもたらした農村衰退について考祭する際の、思考枠として使用されていたことを確認した。この時期には、囲い込みの進展や道路網の整備などにより、自営農民(ヨーマン)が没落したが、この農民層が共和国市民と同一視されたのである。この同一視は、ゴールドスミスの『廃村』(1770)やペナントの『1769年のスコットランド旅行記』(1771)、サウジーの『イングランドからの手紙』(1807)など、文学や歴史、旅行記や地誌書などの分野で、相当数の著作に浸透していた。さらに、そうした著作のリストを作成し、この同一視がどの程度普及していたのかを探るとともに、自営農没落の理由を自己の物欲と社会のどちらに帰しているかの調査もした。どちらに帰するかは、作者の共和主義に対する姿勢や社会批判を反映していると考えられるからである。
(2)ワーズワスが読んだと思われる著作を調査し、彼の共和主義的農民像の源流の発見に努めた。また、彼の作品や書簡から、自営農民(ステイツマン)に関する記述を抽出し、農民に対する彼の姿勢の変化を調べた。それにより、ワーズワスの湖水地方の農民をめぐる発言が、社会の共和主義に対する姿勢とある程度運動している感服を得た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 湖水地方旅行書に登場するワーズワス2011

    • 著者名/発表者名
      小田友弥
    • 雑誌名

      山形大学紀要(人文科学)

      巻: 第17巻第2号 ページ: 121-139

  • [学会発表] ワーズワスの『湖水地方案内』の革新性2010

    • 著者名/発表者名
      小田友弥
    • 学会等名
      日本英文学会第82回大会
    • 発表場所
      神戸大学国際文化学部
    • 年月日
      2010-05-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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