最終年度の本年度は、初年度と平成22年度に収集した資料の解析を徹底的に行うと共に、初年度と二年度に調査ができなかった地域のフィールドワークを行い、不足分の研究を補った。特に、イギリス18世紀文献所蔵量では世界有数のハンティントン・ライブラリーでの調査と資料分析が有益であった。また、東京に出張し、同分野の研究者と議論を深めた。それらの研究成果を、日本ジョンソン協会第44回大会(平成23年度)のシンポジウム(5月23日北九州市小倉リーセントホテル)で研究発表して、本研究課題の重要性を広報すると共に、有益な学問的議論を交わし、研究最終年度の総括的研究成果となった。日本ジョンソン協会は日本におけるイギリス18世紀研究の牙城であり、ここで本課題について発表の機会を得ることは、最終年度の総括として大変意義深いことである。また、初年度、平成22年度に引きつづき本研究課題に関する出版プロジェクト「『ガリヴァー旅行記』徹底注釈」の最終原稿を完成した。本研究課題の最終的成果として、この書物は平成24年度初旬に出版予定である。このプロジェクトは岩波書店から出版されることになっている。本出版のために、東京の岩波書店に出張し、綿密な打ち合わせと、校正を行った。また本年度は『西洋文学-理解と鑑賞』(大阪大学出版会)を出版でき、研究成果を発表することができた。この中で服部は「話法と意識の流れ」と「名作味読セミナー-スウィフト『ガリヴァー旅行記』の二章を分担執筆し、成果を挙げることができた。
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